はじめに
「もっと”いい文章”を書けるようになりたい」と思って読み始めた本(二冊目)
電通のコピーライターである橋口 幸生さんが書かれた本。
オススメ読者
- 就活中の学生
- すべてのビジネスパーソン
- 効果的なコピーを書けるようになりたい人
「やっぱりコピーライターの書く文章は読みやすい」と思ったけど、
そうじゃなくて、「ビジネスパーソンの文章が読みにくいんだ!」と思わされた一冊。
良いと思った点
- 添削前文章をもとにポイントを踏まえて「言葉ダイエット」の方法が解説されているので、わかりやすい
- (『20歳の自分に受けさせたい文章講義』の後に読んでよかった。こちらのほうが問題集のような感じがする)
- 「読みにくいビジネスメール」の例が、まさしく「今の自分が書いているメール」で笑った(笑)
- より「もっとわかりやすい文章を書けるようになりたい!」と思ったし、自分事として読み進めることができた
- 「就活生のエントリーシートの書き方」「勝率を上げるプレゼン資料の作り方」など、シーン別にポイントが解説されているのがよかった
- (私の偏見があるからかもしれないけど、「就活生がその文体のエントリーシートを出して本当に大丈夫?」と思うところがポロポロあった。確かに添削後の文章は魅力的になっていたけど、参考にする際は慎重に考えた方が良いかも。)
書き方、文体の話
- 一文一意を意識する
- 一文は40~60文字以内
- タイトル(キャッチコピー)は15文字以内
- これに収まらない場合、意味が凝縮できていない可能性あり
- 抽象論、修飾語禁止
- 修飾語は書き手と読み手で理解にギャップが生まれることがあるから。
- 具体例や事実を書こう。
- 重言に注意
- 例)記念品をプレゼント、違和感を感じる
- ムダな敬語禁止
- 例)~を受賞させていただくこととなりました
- 伝えにくいことほど単刀直入に
- 丁寧すぎる文章はかえって印象が悪くなる
- こそあど、接続語の連発禁止
- 幼稚な印象を与える
- 適切に体言止めを使用しよう。
- 体言止め:文章を名詞で終わらせること
読みたくなる、おもしろい文章の書き方
- おもしろい文章=「発見」がある
- 発見には「主観的発見」「客観的発見」がある
主観的発見
- 経験の中から見つかる発見。
- 例)「父が涙もろいことは、テレビが教えてくれた」
- 前提が続くと読み手が飽きる
- 前提の例)「御社のスニーカーは10代の若者がターゲットです。入学シーズンは繁忙期なので、需要増が見込めます。」
- 発見の例)「青春を謳歌する上で必要だからスニーカーを選ぶだけです。コミュニケーションにおいても、若者のリアルな生活に合わせたメディアを選ぶことが大切です。」
客観的事実
- 世の中にある事実。
- 例)40歳は二度目のハタチ。
「発見」の探し方
- 広げる
- まずはすべて書き出す。数を出すことだけに集中する
- 「連想」で書き出す
- 「話者を変える」ことで書き出す(読者、当事者、第三者)
- 分ける
- 前段階で出たものを切り口ごとに分ける
- 切り口の偏りがあれば、再度広げる
- 選ぶ
- 目的に合ったものを選ぶ
- 仕上げる
- わずかな言い方の違いでメッセージ性が増すことがある。
- 仕上げ前例)「メールの誤送信で不倫がばれる人は多い」(第三者視点、客観的事実、他人事感がある)
- 仕上げ後例)「メールの誤送信をしたことがあるなら、不倫はしない方がいい」(自分事として考えられる、警告として受け取ってもらえる)
まとめ
事実そのものより、「事実から何を発見したかを伝える」が大切
構成の話
- 三幕構成にしよう
- 導入→本題→まとめ
- これは『20歳の自分に受けさせたい文章講義』でも言われていた
- まとめが文章の読後感を決める
- 導入でテーマを提示し、まとめで再提示すると、文章がドラマチックになる
- 提案の場合は先に結論を提示し、その結論に至るまでの経緯を説明。外堀から埋める。
- 正論を伝えるとき、それをわざわざ言う必要はない。事実を伝えれば、あとは読者が勝手に受け取る。
これからの働き方の話
- これから単純な仕事はAIに奪われ、人間的な仕事が残る。つまり、仕事に自分を見出せない人は仕事を失うことを意味する。
- (この本は2020年発刊で、AIはそれから凄まじいスピードで進化しているので、「自己実現」も難しそうな気もするが…)
- だからこそ「ビジネスらしい文章」に自分を当てはめるのではなく、文章で「自分らしさ」を出そう
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